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投資ラウンド(シリーズシード、A、B、C)って、何?

息吹

フィンテックの流行もあり、ここ最近スタートアップによる活躍を耳にする機会も多い。

特に創業期には資金調達が非常に重要になってくるのだが、スタートアップの資金調達でよく「シード」「シリーズA」「シリーズB」「シリーズC」といった単語を耳にする。
スタートアップによるピッチでも「シリーズBで5億円の資金調達を実現しました」等のコメントで自社を紹介しているケースも多い。

これは、元々シリコンバレーで使われていたようだが、実は明確な定義はない。
しかし、「スタートアップのどのフェーズに対する投資か」を感覚的に認識するには便利な単語であるとも思う。
そこで今日は、株式による資金調達のラウンド(シード、シリーズA~C)について、その概要を説明する。

シリーズシード

フェーズ

シードを和訳すると「種」であるが、その訳通りサービスやプロダクトがリリースされる前の段階にいるフェーズだ。シードフェーズの企業は、ファウンダー(創業者)が1人または数名の社員でサービスやプロダクトをリリースするために日夜戦っている。
シリーズシードの調達は、まだサービスやプロダクトが収益を生み出していないため、創業者を初めとする従業員の給与や、サービスリリース前の研究開発費等に充てられることが多い。

投資家

エンジェル投資家、ベンチャーキャピタルが多い。あまり多くの人の目に付く機会はなく、限られた投資家(知人や親族を含む)によって投資が行われることが多い。
しかし、最近ではシリーズシードを狙ったベンチャーキャピタルも目立つようになっており、一昔前に比べるとスタートアップにとっては資金調達しやすい環境にある。

シリーズA

フェーズ

シリーズAは、サービスやプロダクトをリリースし、マーケティングを始めるフェーズだ。
ユーザをきちんと把握、理解して、サービスやプロダクトのアジャストを繰り返したり、試験運用から本格運用への転換を模索したりする。
このフェーズでは、サービスやプロダクトからの収益は無いか、あっても極めて小さい。それにも関わらず、実験コストや市場調査コスト等で多くの資金が必要であり、企業を経営するための資金が必要な状態だ。
まだまだビジネスモデルが確立されているとは言えない状態であるが、シリーズAにおける資金調達は、今後のビジネスモデルの確立に非常に重要な役割であり、素晴らしいアイデアが実現するかどうかのクリティカルポイントでもある。

投資家

多くのベンチャーキャピタルが名乗りを挙げてくる。シリーズAになってくると、最近ではメガバンクを初めとする銀行も注目して投資を実行したり、ジョイントベンチャーを立ち上げたりする例もある。それほど、最近のスタートアップは注目度が高く、アピールする機会に恵まれていると言える。
このシリーズで10億円以上を調達した事例もある。

シリーズB

フェーズ

ビジネスモデルもある程度確立されており、規模を拡大していくフェーズだ。このフェーズでは、サービスやプロダクトから一定の収益を稼ぐことができており、規模を拡大することでさらなる収益の増加が期待できる状態だと言える。ビジネスモデルのアジャストに割く労力よりも、マーケティングに投下する費用の割合が増えてくる。営業マンの雇用や、広告宣伝費用を目的に資金調達することが多い。

投資家

シリーズBになると、多くの人の目に触れることになる。ベンチャーキャピタルや銀行等のほかに、既存事業会社が買収するケースも多くなってくる。もしくは、シリーズBの企業同士がM&Aによって勢力を増加させるケースも多い。

シリーズC

フェーズ

シリーズBで成功した企業が、さらに成長を加速させるフェーズだ。ビジネスモデルとしてはほとんど完全に完成しており、継続的な改善の中でブラッシュアップしていく状態である。
全国展開や海外進出、他社の買収等、比較的大きくドライブさせる案件に必要な資金を調達する。場合によっては、シリーズD、Eと続いていく場合もある。

投資家

企業としてはほとんど成功している状態であり、上場を見据える企業も多いことから、証券会社からの声も多くかかるようになる。
このフェーズになると株式の希薄化を嫌ってシリーズB以降のシリーズによる調達は実施せずに、社債等による資金調達を実施する場合も多い。

リーン・スタートアップ