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ITマネジメントに関わる僕が実践しているノート術6つのコツ

モレスキン

ビジネスでノートを使う機会はとても多い。
しかし、ノートへの記載の仕方は千差万別だ。

多く場合、ノートを見れば、その人の思考が分かる。
実際に周りを見渡してみると、ホワイトボードに書かれたことをそのままきれいに書き写し、人が話したことを全て記録している人が多いことに驚く。僕の経験上、このようなノートを書く人は、ビジネススキルが一様に低い。

仕事ができる人は、「要約」が上手い。「この話は、“要するに“何を言わんとしているのか」「ホワイトボードに書かれたことの本質は何か」を、自分でしっかりと解釈し、その解釈に基づき要約してノートを書く。
できる人のノートとは、決して文字やレイアウトの綺麗さではないのだ。

一方で、「ノート術」と検索すると、かなり多くのノート術が出てくる。これでは一体、どうやってノートを取るのが良いのか、迷ってしまう。僕も、今までにいくつものノート術を試してみた。

今日は、僕が色々試した中で行き着いた、実際のビジネスで実践しているノート術を6つのコツに分けて紹介したい。

1. そもそも、何のためにノートを取るのか意識する

ノートを取る目的は、「アウトプット」を作るためだ。
決して、「記録を残しておく」ことが目的ではない。

自分が実行すべき仕事のアウトプット(最終的なプロダクト)を、効率的かつ高品質で仕上げるための材料として、ノートを取っていることを忘れてはならない。
つまりノートを取る時は、それが会議中であれ情報調査中であれ、必ず「どのようにアウトプットするか」を常に意識しておかなければならない。

さらに、アウトプットとは、必ず「エンドユーザ」のためでなくてはならない。次工程の担当者や部署への引継ぎを行うためではない。
最終的にプロダクトやサービスに触れる「エンドユーザ」のことを常に意識することで自分が実行すべき「アウトプット」が見えてくるし、「アウトプット」を意識することで「ノートに何を書くか」が見えてくる。
この「アウトプット思考」であることを実践できた時点で、ノート術の9割以上は達成できたものだと言っても過言ではない。

ちなみに「エンドユーザ思考」は、ビジネスの根幹にあるべき考え方で、この先どのように時代が変化しようとも、この考え方は不変だと断言できる。
当ブログでも、過去に記事にしているので時間に余裕があれば一読して欲しい。
www.overwrite-save.com

2. ノートはできるだけ大きく

ノートのサイズは、思考のサイズと比例する。
ノートが大きければ大きいほど、よりたくさんの思考を書き出し、整理することができる。そして、ノートを行き来しないため全体を俯瞰しながらメモをまとめることができる。(小さいノートだと、何度も言ったり来たりするし、本来繋がっているべき思考が途切れてしまう)
僕が最もリスペクトする人物の一人である大前研一さんは、A2サイズの紙を使って思考の整理をしているそうだ。

僕が使っているノートは、ニーモシネというA5サイズのノートだ。
ノートの上部にミシン目が入っているので、一枚一枚ノートを切り離すことができる。切り離すことで、複数枚のメモの順番を並べ替えることや、横や縦に並べて見渡してみることができる。

マルマン ノートパッド ニーモシネ A5 方眼罫 N188A

マルマン ノートパッド ニーモシネ A5 方眼罫 N188A

できれば、A4サイズのノートを推奨したい。
僕も実際にA5サイズでは書ききれない場面に遭遇することも多いので、今使用しているA5サイズノートの在庫が無くなったらA4サイズに移行しようと思っている。(在庫がまだ複数冊あるので、当面先になりそうだ)

3. 方眼ノートを使う

ノートの多くは、「白紙」「罫線」そして「方眼」の三種類に大別されると思う。
ノート術と言われる多くのサイトや書籍でも「方眼」が勧められているが、やはり僕も「方眼」をお勧めする。

しかし、ノート術を検索すると「方眼ノートを3分割」「5分割」などして、どのエリアに何を書くかルールを決めてメモを取る、というような方法が進められていることが多い。(このエリアは事実を記載し、ここは要約、ここは課題等々)
この方法でノート術が捗っているのであれば、もちろん継続すれば良い。が、僕にとってはノートのエリア訳や、エリア毎の記載ルールを覚えることの方が大変なので、一切記載エリアに関するルールは設けていない。また、ノートを取る局面によって、記載すべき内容が異なるので、一様にエリア毎に記載内容を決めてしまうこと自体、ナンセンスなのだ。

では何故方眼が良いのかというと、方眼がビジネス向けに一番自由な発想ができる書式であるからだ。
「罫線」の場合は、意識が横方向かつ左から右の一方向にしか向かないため、どれだけ意識していても思考の幅が狭くなる。縦横の展開に非常に弱い。
「白紙」の場合は、一見自由なのだが自由過ぎるが故に、何をどのように書いていけば良いのか分かりにくくなる。漫画やアニメ、映像のラフ画を書く場合に向いているのかもしれない。
一方で「方眼」の場合は、適度に線が入っているので、グラフやフローチャートを描きやすかったり、紙全体を何かの単位で区切る場合に線を引きやすい。さらに、正方形の方眼なので縦横を意識することなくノートを書くことができる。もし、方眼を使ったことが無いのであれば、一度方眼を使ったら他の書式ノートには戻れないだろう。

ワイキキビーチ

4. 要約する

ノートに書くときは、雑多な情報をそのまま書き記していくのではなく、必ず「要約する」ことが必要だ。
「ノートを書く」という行為自体は、生産的なものではない。できるだけ「書く時間」を減らし、かつ頭の中の思考を整理しながら書くために「要約」を意識することはとても重要なことだ。要約するということは、「本質を抜き出す」ことでもある。そうすることで、まとめる内容をより深く理解することに繋がる。
要約の仕方やトレーニングについては、過去記事を一読頂きたい。
www.overwrite-save.com

5. きれいに書かない

ノートをキレイに書く必要はない。一時昔に「東大生のノートは何故美しいのか」というような書籍が流行ったが、「ノートが美しい=優れたノート術」ではない。
むしろ、「きれいに書こう」ということに意識を向けたり、時間を費やしたりする方がはっきり言ってムダである。
ノートに書いた文字や図形まとめ方のキレイさは、自分が解読できるという水準で構わない。
稀に、後でノートを振り返り「自分でも何を書いたか分からない」では、言うまでもなく本末転倒だ。

6. 用が済んだら捨てる

いつまでも思い出のようにノートを保管している人がいる。
「これだけのノートを書いた」と感傷に浸りたい気持ちは分かるが、要件が済んだノートをいつまでも保管しておくことは、ムダである。紙ノートは、検索性も低く、保管するにも場所をとるので、使用後は可能な限り処分していこう。仕事は、過去ではなく未来を見るものなのだ。自分自身の過去の実績や栄光、不要となった記録を持っている人は、仕事ができない。不要なものはどんどん捨てよう。
仮に、まだ必要かもしれないノートや、今後も考え方の参考になりそうなノートがあれば、写真を撮ってEver Noteにでもタグ付けして保管しておけば良い。