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本気でダイバーシティを推進するリーダーの心得4か条

ダイバーシティ

昨今「ダイバーシティ(多様性)」という言葉をよく見かける。

特にビジネスにおけるダイバーシティにおいては、性別や人種等の多様性を受け入れることはもちろんのこと、産前産後休暇や育児中の時短勤務、既婚者・独身者問わずダブルワークやリモートワークへの要望等、社員個々の事情や価値観に応じた働き方の多様化はますます進んでいく一方だ。

どんな会社でも頭の固い人は存在する。特に、歳を重ねた人ほど、その傾向が強い。なぜなら、自分たちの今までの仕事のやり方で成功してきたからだ。仕事のやり方を変えることに対する抵抗感は強い。
しかし、これからの社会は間違いなくダイバーシティが求められていく。それに対応できない会社は、潰れていくだろう。
ダイバーシティを受け入れ、異なる価値観や人材が共存することによって、化学反応が起き、今まででは発想できないアイデアに行き着くというのは、よく聞く話だ。

ダイバーシティが進んでいく社会で、会社のリーダーはどのように変化していくべきなのだろうか。

1. 人と違うこと(ダイバーシティ)を奨励し、受け入れるカルチャーを醸成する

日本の学校教育を思い出して欲しい。
得意なスキルを徹底的に伸ばすのではなく、苦手を克服して平均的な人間を作りあげることを目的としている。
みんなと違うことは「悪」であり、同じ方向を向いて、同じことを考え、違いや個性を認めない。場合によっては、リレーでさえ手をつないでゴールさせるなんていう学校もあるという。

なぜ、みんなと違ってはいけないのか、ということさえ考える隙間を与えない。「なぜ違うことをするんだ」と叱り同じ制服、同じ価値観、苦手は克服を目指す。まるで軍隊教育である。
今までのビジネスにおけるリーダーは、チームの不公平を解消し、同じ評価軸で評価をして、全員同じことを考えさせる、という働き方が推奨されていた。

チーム間に不公平感が生まれるメカニズムは、「公平、平等」を目指すから生まれる。
「公平、平等」を目指すが故に、その道から外れた人を見つけては「不公平、不平等」を叫ぶ人が出てくる。
リーダーは、そういった人物を教育して是正するか、排除するかを判断する。
実に簡単なマネジメントである。

「みんなと違うこと」は当たり前であり、それぞれの個性、価値観、考えをぶつけるからこそ、チームとしてより良い仕事ができる。
「みんなと違うこと」をむしろ歓迎する文化さえ醸成できれば、不公平感は一気に解消されていく。違うことは正しいのだから、チームのメンバーは「みんなと同じかどうか」という意味の無い判断基準を持つことがなくなる。

こういった文化は、自然に出来上がるものではない。
チームのリーダーが率先して、みんなと違うことを賞賛し、平均的であろうとすることを嫌う態度を示し続ける必要がある。
その態度を継続していく内に、チームの異なる価値観がぶつかることによって起きた化学反応で、最高のアウトプットを生み出す体験をすることになる。
この繰り返しこそが、ダイバーシティを歓迎するカルチャーの醸成に繋がっていくのだ。

2. とにかくダイバーシティを内外に発信することがカルチャーの醸成につながる

チームや会社のカルチャーを変えようというのは、なかなか難易度の高い行為だ。
しかし、実は文化を醸成するのは覚悟さえあれば、誰にでもできる簡単なことなのである。

それは「発信」をすることだ。

チームのメンバーも、チームの周りにいる関係者も、言われなければ何も分からない。
「こういったことを受け入れよう」
「こんな取り組みをしています」
「あなたのチームは、なぜ多様性を受け入れていないのか」
「もっと、個性のある人材を採用しよう」

ただ単にダイバーシティと言っても、人によって定義も異なる。
「形式的に男女差別だけ解消すればよいだろう」、という程度にしか思っていない残念な人も実際にはとても多く存在するものだ。

意識的に少々過剰に発言すること、個性を認めて賞賛すること、他部門へしつこく働きかけること、こういった日々の積み重ねがカルチャー醸成に繋がっていく。

人間はみな、個性を大切にしている生き物だ。みんなと一緒であることを賞賛されるよりも、その人固有の特徴を褒められた方が嬉しいに決まっている。だからこそ、チームリーダーの「ダイバーシティ推進発言」には、本能的にフォローしたくなる。

ダイバーシティ・レゴブロック

3. ダイバーシティを率先して行動する

チームの内外に発信しているにも関わらず、行動が伴っていなければ意味が無い。口だけリーダーとして士気は落ちていくのが明らかだ。

急に「希望者は週3日の出勤でいいぞ」と伝えられても、部下としては非常に選択しにくい。
リーダーである以上、週3の出勤を選択することは現実的に難しいかもしれないが、週2日をリモートワークに切り替えたり、時短勤務や育児休暇を取得するなど、リーダーが行動を示すことが重要になってくる。
そうすることで、チームメンバーの心理的な障壁も解消されていく、心置きなく多用な働き方を選択することができるのだ。

リーダーは、誰よりも早く出勤し、誰よりも遅く帰り、休暇も取得してはならない、というのは、成果を出せない会社でよく見られる光景だ。

プライベートの充実が仕事の充実を招き、それぞれのプライベートに合った新しい働き方を推奨するからこそ、アウトプットの品質が向上する。
こういった価値観をメンバーが体験できるよう、率先して行動してみよう。

4. ダイバーシティを前提とした制度設計

実際にダイバーシティを受け入れようとすると、「制度設計」が必要になる。リモートワークやダブルワークを認めていない会社は、残念ながら多い。当然であるが、会社の規則を無視して、ダブルワークを認めるわけにはいかない。
そのため、カルチャーの醸成を平行して、「制度設計」をする必要がある。

リモートワークや時短勤務の人に適したコミットメントを定め、それぞれの働き方にあった評価制度を設計し、ダブルワークも認める。
ダイバーシティを前提とした制度設計をして、実際的にダイバーシティを強く受け入れていくことによって、不公平感は解消され、チームが一体感を増し、より良いアウトプットを生み出していくのだ。

しかし、チームのリーダーが一人で制度を設計できるものではない。
会社の規模にもよるが、人事部門であったりダイバーシティ推進室であったり、いわゆる専門的に考える部署を巻き込む必要がある。

チームリーダーである以上、ダイバーシティを推進することによって得られるメリットをまとめて、関連部室や経営陣を巻き込んでいく覚悟を持とう。

「誰かがやってくれるだろう」と待っていても、誰も動かない。
あなた自身が動き出さないと、会社は何も変わらない。


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