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一生に一度は読むべき良書、厳選5冊【良書レビュー】

読書と熟考

良書に出会うのは、とても難しい。

しかし、良書から得られる知識は、もはや体験に近い感覚で自分に吸収されていくものだ。
良書は物事の本質を語っているため、何十年も前に執筆された本であることが多い。何十年も前の本であるにも関わらず、現在においても尚「良書」と言われているのは、それだけの価値があるということだ。

また、良書を一冊仕上げるためには、その著者は何十時間、何年、下手したら何十年もの調査や研究を重ねている。つまり、良書一冊読むことで、著者が捧げた膨大な研究成果や思考を、数時間で習得することができるのだ。
これは、最近特に目につく「何かをコピーしたような自己啓発本」とは訳が違う。本一冊を書き上げるために費やした「思考の深さ」が、段違いであるからだ。自己啓発本ほど内容の薄い本はないし、僕は自然と敬遠してしまう。(タイトルが自己啓発を思わせるだけで毛嫌いしてしまい、良書を見逃してしまっている危険も否めないが)

閑話休題。
今日は、僕が今までに読んだ良書の中で、自分自身の考え方をがらりと変えた衝撃的な良書を5冊紹介する。

誰のためのデザイン?

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

最近、フィンテックやテクノロジーの進化によってUI/UXという言葉をよく耳にする。
ユーザにとって、どのようなインターフェースを提供し、どのような体験をもたらすかを本質的に考えていこう、というものだ。

最近の事例で言えば、まさにAppleのiPhoneがUI/UXの良い事例だと言えるだろう。iPhoneの発売によって、携帯電話に対する考え方が社会的にガラリと変わった。
しかし、その後はAppleの追随プロダクトしか見かけず「前面液晶でタッチパネル」ということがUI/UXの正解であるかのようなプロダクトしか出てこない。果たして、これらの企業やプロダクトマネージャーは、真にUI/UXを考え抜いているのであろうか、甚だ疑問が残る。
以前にも、このブログで記事を書いたが、UI/UXは徹底したユーザ視点で考え抜くことが重要なのだ。企業や担当者都合の改善プロダクトやスペック競争は、UI/UXの視点で考えたとは言えない。

この書籍は、まさにUI/UXの本質を的確に捉えているのだが、驚くべきはこの書籍が20年以上も前に書かれたものであることだ。
本のタイトルにある「デザイン」という単語を読むと、何となくデザイナー向けの書籍を連想させるが、決してデザイナーだけの書籍ではない。プロダクトに関わる担当者ひいては全てのビジネスマンにとって、仕事のアウトプットを本質的に考え直すヒントを学ぶことができるはずだ。
www.overwrite-save.com

富の未来

富の未来 上巻
富の未来 下巻

この書籍は、僕がフォローしているブロガー2名が紹介していたことに加えて、尊敬しているあるビジネスリーダーから薦められて手に取った。

未来を予想する本はたくさんある。
しかし、その合理性や納得感は千差万別で、そのほとんどは空想科学読本のようなエンターテイメント的な要素を多分に含む書籍である。
一方で、この「富の未来」はかなり現実的な未来予想となっている。テクノロジーやマクロ経済、社会学的な見地等を複合的に考慮してストーリーが組み立てられている。過去の歴史からみても、一見突飛に見える予測もかなり合理性が担保されており、未来を知るというよりも「まさに現在」を知るために、とても有意義な一冊だ。

ビジネスにおいて将来を予測するケースは多いと思うが、その時の考え方の一助になることは間違いない。

銀河ヒッチハイクガイド

新銀河ヒッチハイク・ガイド上 (河出文庫)
新銀河ヒッチハイク・ガイド下 (河出文庫)

僕がリスペクトするビジネスリーダーの一人、イーロン・マスク(テスラ・モーターズ創業者)がおすすめしていた書籍。上述の2冊とは趣向が異なり、これはSF小説だ。

僕が小学生位だった頃「自分は他の誰かに監視されている」「実験台になっている」という妄想をしていたことがある。大人になってから、この体験をGoogleで検索してみると、実は相当多くの方が同じようなことを考えていたことが分かった。

この「銀河ヒッチハイクガイド」を読んでいる最中、自分の幼少体験が鮮明にフラッシュバックした。「銀河ヒッチハイクガイド」の設定は、地球と地球に存在する生命体は、宇宙人による実験のために存在しているというものなのだ。

このような短い書評じみたことを書いても、なかなかこの本の良さは伝わりにくいし、むしろ低俗なSF小説のように誤解させるかもしれない。しかし、この本の良さは、人間の存在や未来、可能性について哲学的に問い続けた結果を多分に含んでいる点にある。
人間の本質、万物の可能性について、改めて考えさせられる一冊だ。

ニコラ・テスラ 秘密の告白

ニコラ・テスラ 秘密の告白  世界システム=私の履歴書 フリーエネルギー=真空中の宇宙

ニコラ・テスラをご存知だろうか。
僕の最も尊敬する人物の一人であり、かのエジソンを超越するとも言われる超天才的な人物だ。(エジソンとともにノーベル賞候補になったこともある。しかし、彼の研究は軍事目的で使われていたものも多いとされ、その功績は闇のままになっているらしい)
先に紹介した「銀河ヒッチハイク」でも触れたイーロン・マスクが創業したテスラ・モーターズの社名の由来は、まさにニコラ・テスラから引用したものであり、イーロン・マスクを始め世界の名立たるビジネスリーダーがこぞってリスペクトしている人物だ。

この本は、自著のため自叙伝的要素も強いのだが、彼の天才的発想を垣間見ることができ、好奇心を掻き立てられること間違いない。

一〇〇年前の世界一周

一〇〇年前の世界一周

1905年当時に世界一周をした青年の記録。今となっては100年以上も前の話だ。
この本も、僕のフォローするブロガーの複数人が紹介していた本なのだが、旅が好きな僕にとってものすごく大きな刺激になったし、世界中を自分の手で写真に収めたいと思った本だ。
当時の日本の写真もある。髪を結い、着物を着ている。歴史の教科書では見たことがあるが、実際の旅行記として手にとって見ると教科書とはまるで臨場感が違う。そこに生命や息づかい、生活や社会を生々しく感じるのだ。
手の届きそうで届かない、歴史になりきっていない過去の時間を疑似体験することのできる、とても貴重な一冊。