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乗り遅れる前におさらい!クラウドの基本「SaaS」「PaaS」「IaaS」とは一体なんのことか

Paas

SaaSとは

SaaSは、「Software as a Service」の頭文字をとった言葉で「サース」と読む。
一般的に「クラウド」と言うと、SaaSを指していることが多い。

今までは、ソフトウェアをコンピュータにインストールして使用することが通常のアプリケーションの利用の仕方だったが、サービスをインターネット上で提供することで、ユーザはインターネット上でそのサービスを使う。

具体的には、G-mailやGoogle カレンダー等のGoogle系サービスは今やとても身近なSaaSの一つで、コンピュータとクラウド環境さえあれば、どのコンピュータからでもサービスを利用することができる。
また、データもクラウド上のストレージで保管されることから、データを紛失してしまうリスクが少ない。(今までであればクラウドを使用せず、コンピュータのローカル上でサービスを利用していたため、携帯電話やコンピュータの買い替えのタイミングで、データ移行がうまくいかずアプリケーションやデータが無くなった、壊れたという体験をした人も多いのではないだろうか)
Google系以外にも、SaaSは身近に多く存在しており、Office365やEvernote、DropboxもSaaSの一種だ。


SaaSは、特定の目的のために最適化されているサービスなので、とても簡単にサービスの利用を始めることができ、あっという間に目的を達成することができる。
一方で、サービス自体は固定的になっているので、自由度に制限があることは承知しておく必要がある。
G-mailでLINEのようにチャット形式でスタンプを送りたいと思っても、使える形式は決まっている。
Dropboxで、動画のライブ配信をしたいと思ってもできないのだ。

SaaSは、簡単な目的を短時間で簡単に実行したい場合に、とても相性の良いクラウドサービスであると言える。

PaaSとは

PaaSは、「Platform as a Service」の頭文字をとった言葉で「パース」と読む。
略語の通り、プラットフォームをサービスとして提供するサービスだ。

プラットフォームを明確に定義するのは難しいところだが、PaaSで言うところのプラットフォームは「データベースやプログラムの実行環境」のことを指すと言える。
つまり、ハードウェアやOSは環境として整えられており、ユーザはそのサービスの中で「プログラムだけ」を構築すれば良いということになる。
このため、ハードウェアやOSの更新を気にする必要もない。

一般的なユーザには馴染みがないと思うが、Google App EngineやAmazon Web Serviceがこれにあたる。

PaaSを提唱したのは「セールスフォース」というアメリカの企業だ。
セールスフォースは、もともと企業向けCRM(顧客管理システム)をSaaSで提供していたのだが、導入企業がもともと使用していたシステムを、同じプラットフォーム上で動かせるようにしたことから「PaaS」という概念が生まれたとされている。

IaaSとは

IaaSは、「Infrastructure as a Service」の頭文字をとった言葉で「イァース」、「アイアース」と読む。

IaaSは、ハードウェアの機能だけを提供するもので、SaaSやPaaSと比較して提供されるサービスは「最低限」となっている。そのためユーザは、自由度の高い環境でプラットフォームやサービスを作り上げることができるが、その一方で相当の専門知識が必要とされる。
サーバーやハードディスク、ファイアーウォール等がサービスとして提供され、いわゆる「レンタルサーバー」はIaaSに該当する。

このことから、「Hardware as a Service」を略して「HaaS」と言われていたこともあった。

IaaSを利用するメリットは、障害修復コストやシステムバージョンアップ費用がかからないため(正確には、サービス料金に含まれているため)、IT予算や人員配置の見積もりが容易になり、安定的なIT運用を実現できることにある。

ハードウェアやインフラ投資が不要な分、イニシャルコストは低く抑えられるが、ランニングコストを積み上げると、必ずしもオンプレミス環境(自社環境)よりも安くなるとは限らない。
しかし、必要な機能だけを拡張し不要になった分だけ解約するなど、かなり柔軟的な運用が可能になるので、スピーディで効率的なシステム開発を実現することができる。

プログラム

企業におけるクラウド化の流れ

企業の基幹システムをクラウドで利用するという流れも、ますます拡大していくだろう。

一方で、「クラウドは危険だ」「情報漏えいするに決まっている」等という、根拠のない固定観念に囚われている意思決定メンバーも多く、特に金融機関では利用が進んでいない。
(クラウドは危険だ、ということなら、電話やeメールも同じように危険だという理屈になるが、何故かそれは大丈夫だと言う。固定観念でしかモノを言えない人が多い)

テクノロジーの進歩は僕らの予想以上に早く、インフラ等の基盤周辺で言えばクラウドのみならずブロックチェーンも十分検討に入ってくるだろう。
既に欧州では、行政システムにクラウドやブロックチェーンを適用している国もある。

最新テクノロジーを学び、変化に適切に対応していくことこそ、これからの競争に勝ち残り、ユーザから選ばれていく要素であると言えるだろう。

すべてわかるクラウド大全2016(日経BPムック)

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