たった一言で心をつかむハイセンスな「キャッチコピー」10選
僕は一時期、コピーライターを職業にできないか考えてみたことがある。
短い言葉で、多くの人の心を揺さぶる職人が、とてもかっこよく思えたからだ。
今となっては、コピーライターを職業にすることは一時の妄想で終わってしまったが、今でもコピーを読むことはとても好きだ。
今回は、今までに読んだコピーの中から、特に僕が気に入った(もしくは心に残っている)コピーを紹介したい。
キャッチコピー10選
合コンの後、お持ち帰りした。
吉野家。一瞬、合コンで出会った女性を持ち帰ったという下心かと思いドキッとするが、実は合コンの成果は芳しくなく、牛丼を一人前お持ち帰りして帰路につく切ない様子が思い浮かぶ。
気軽にお持ち帰りできるという商品特性まで表現されている、とても秀逸なコピー。
後ろはスバルか、安心だ。
富士重工業株式会社(2017.4.1から株式会社スバル)のコピー。スバルの前を走る車に乗っている運転手の視点から書かれており、客観的な安心感を上手く表現している。直接的な表現でないところもすごく好感が持てる。
一目で義理と分かるチョコ
ブラックサンダー。一目で義理だと分かる、というブラックサンダーの立ち位置を自虐的にアピールするウィットに富んだコピー。渡す方ももらう方も、完全に義理だと分かっているから気楽でいられる。そういったニーズを上手く捉えたコピーだ。単なる駄菓子に留まらず、コピー一つでバレンタイン商戦にまで食い込ませるという、コピーによるマーケティングのお手本。
「1本しか売ってなかった」と好きな子に嘘をついた。
ポカリスエット。青春時代の甘酸っぱい片思いを上手く表現している。映画のワンシーンのようなこの嘘つき男子の気持ちは、読む者全員が共感するのではないだろうか。果たしてこの後一緒に飲んだのか、先が気になってしまうストーリ性のあるコピーで、とても好きだ。
生きろ。
もののけ姫。やっぱり糸井重里はすごい。たった3文字で、よくここまで伝えられるものだと感心する。きっと、この3文字が一番力強く表現できるのだろう。言葉の無駄を極限まで削除することの大切さを改めて教えられた。
エンディングまで、泣くんじゃない
MOTHERというファミコンのゲームソフトのコピー。これもまた糸井重里。
エンディングまでに泣くポイントがたくさんあるだろうし、エンディングにはそれを越える感動があるんだろうと自然と心がたかぶる。僕は小学生の時、実際にMOTHERをプレイしたが今だにベスト10に入る名作ゲームソフトだ。
試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。
ルミネのキャッチコピー。新しい洋服を試着する時に、「この洋服を着た自分を、あの人に見てもらおう」と自然に思い出してしまう恋の始まりの気持ちが上手く表現されている。これに気付いた瞬間、もっとおしゃれをしようと思ってしまうんだろう。
仕事を聞かれて、会社名で答えるような奴には、負けない。
リクルート。自分には自分のブランドや価値があるはず。会社のブランドなんかで勝負するような奴にはなりたくないものだ。ネガティブな表現に見出す力強さというものに、とても惹かれる。
似たようなキャッチコピーに「人生を棒に振るような仕事がしたい」というものもあり、好きだ。
あなたの夏が、わたしの夏でありますように
西武。まだ実っていない片思いの切ない気持ちが表現されている。夏直前、相手を想って何かおしゃれをしたくなるコピーだ。
二兎を追う者だけが、二兎を得る
NTTドコモ。王道のことわざの裏を表現したもの。二兎を追わずに確実に一兎を得ようとするよりも、二兎を追うチャレンジャーでありたい。
もっとキャッチコピーを読みたい人へ
キャッチコピーを見ていると、本当に飽きない。いかに商品やサービスのコンセプトを、ターゲットに対して訴えるかがとても考えられていて、心に響く言葉に出会うことが多い。
キャッチコピーをもっと読んでみたいと思った人は、キャッチコピーだけを集めた本も販売されているので読んでみるともっと自分自身に響くコピーに出会えるかもしれない。
時間があれば、次の本が読んでみてはいかがだろうか。
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