【革靴手入れの基本】まずは毎日の「ブラッシング」から始めよう
つい先日、レザーソール(靴底がゴムではなく革製)の革靴を購入した。自分にとっては、とても高価な買い物であったが、長く大切に使っていこうという決心で手に入れた。(恐らく、安く低品質な革靴よりも、多少高価であってもしっかりとした革靴を手入れする方が、長期的にはコストも安いのではないかと思っている)
革靴は大切に使うと何年も履くことができる。
長く大切に使うことで、革も馴染み、艶も出てきて、形も自分の足にフィットしてくる。
本来、革靴は短期間で買い換えるものではなく、何年も何年も長く使うものなのだ。
ところが、実際に自分の周りを見てみると、革靴を毎年のように買い換える人も多い。
手入れが行き届かずに傷だらけになり、結局は修理に出すよりも買い換えた方が早いという決断なのだろう。
しかし、しっかりと手入れをすることで何年も何年も使い続けることができる。だからこそ、少しでも良い革を使った靴が欲しくなってくるし、それが革靴本来の楽しみ方でもあるのだ。
今回は、革靴を少しでも長く大切に使うために、革靴の手入れで一番大切で基本でもある「ブラッシング」について紹介していきたい。
とにかく一番重要な手入れが「ブラッシング」
革靴の手入れというと、クリームやワックスを塗ってピカピカに光らせるという印象が強い。
しかし、一番重要な手入れの方法は「ブラッシング」だ。
革靴の汚れを落とすのも、革本来の艶を出すのも全て「ブラッシング」であると言っても過言ではない。
(クリーム等を使った手入れは、月に1度、多くても隔週で十分である)
せっかく革靴の手入れに興味を持ち、「さあ手入れを始めてみよう」と思った時に、あれもこれも揃えてしまうのは費用もかかるし、手入れする気が萎えてしまっては元も子もない。
ブラッシングの効果を実感できてから、クリーム等を揃え始めても決して遅くはない。
ブラッシングをするタイミングは、革靴を履き終わった都度だ。自宅に帰り、革靴を脱いだら必ずブラッシングをしよう。
ブラッシングに使用するブラシは、「馬毛」と「豚毛」を使う。
- 最初に、柔らかい「馬毛」で埃や汚れをサッと落とす。
- 次に、硬い「豚毛」で全体を丁寧にブラッシングしていく。
たった、これだけだ。両足合計で2~3分もブラッシングすれば十分だ。(時間があれば、いくら時間をかけてブラッシングしても良い)
ブラッシングによって、革の奥にある油分を表面に戻してくる効果があるので、何ヶ月も何年も丁寧にブラッシングされた革靴は自然な艶が出てくる。
軽く擦った程度の傷であれば、ブラッシングを続けていく中で目立たなくなってくる。
下手にクリームやオイルを塗りすぎてしまうと、革が柔らかくなり過ぎてしまったり、不自然な艶になったりしてしまうこともある。
とにかくブラッシングが、手入れの基本中の基本なのだ。
さほど高くないもので構わないので、馬毛と豚毛のブラシを一つずつ持っておこう。
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できれば毎日履かず、シューツリーを使って休ませる
一日革靴を履くと、足からは1リットル以上の水分が放出されていると言われている。
革は水分に弱いため、毎日毎日同じ革靴を履くと水分で痛みやすくなる。
そのため、革靴は2足以上を毎日履き替えることをお勧めする。
できれば、この機会にシューツリーを入手して、革靴を休める時にシューツリーを靴の中に入れておくことも併せてお勧めしたい。シューツリーを使用することで、型崩れからも守ってくれるだけでなく、シューツリーの材料である木が革靴の乾燥を促してくれる。
(シューツリーがない場合は、新聞紙を丸めて革靴に入れておくことで、乾燥をより促すこともできる)
一度履いた革靴を、その都度しっかりと乾燥させることで、革を傷めずに育てていくことができる。
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最後に
革靴の手入れで一番大切なことは、その靴を好きになることだ。
革靴に愛情を持つことで、普段から大切に使うようになるし、しっかりと手入れして長く使っていきたいという気持ちが生まれてくる。(そのために、少し奮発して高価な革靴を買う事も一つの手だと思う)
革靴のことを消耗品と割り切るのではなく、財布やデニムのように「大切に長く使って、自分用に育てていくアイテム」だということを意識して、長く大切に使っていこう。