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革靴好きのためのフルメンテナンス手順【汚れ落とし、クリーム塗布、ブラッシングによるツヤ出し】

革靴 オールデン

革靴の手入れで一番重要なことは、履いた都度行うブラッシングだ。(できれば、シューツリーを入れて型崩れを防ぎ、乾燥もさせる)
ブラッシングによって、汚れを落とすだけでなく、革本来のツヤを出すことができる。
ブラッシングの手入れについては、過去に記事を掲載しているので参照頂きたい。

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周りを見てみると、意外と手入れの手順を知らない人が多い。
気が向いたら、たまにクリームを塗るというだけの手入れをしている人もいるが、これではほとんど手入れの意味がない。クリームを塗る際にもきちんとした手順を踏む必要があるし、その前提として革靴を履いた時には毎回ブラッシングによる手入れをすることが重要だ。

今回は、クリームを使った革靴の基本的なメンテナンス方法を紹介していくので参考にして頂きたい。
(週に2~3回履く革靴の場合、今回紹介するメンテナンスの頻度は、月に1度か多くても隔週ペースで十分だ。過剰にクリームを塗りすぎると、革が柔らかくなりすぎたり、ツヤが不自然なものになってしまったりする)

手順1:ステインリムーバーで汚れやクリームを落とす

ステインリムーバーとは

ステインリムーバーとは、その名の通りステイン(汚れ)をリムーブ(取る)する時につかうアイテムだ。
革靴には、前回塗布したクリームが付いたままになっているので、まずはステインリムーバーで前回塗布したクリームを取る必要がある。これをしないと、せっかく新しいクリームを塗っても、革に浸透せず十分に栄養を与えたり、補色したりすることができない。

また、ステインリムーバーを使うと革靴を傷めるので使う必要はない、という意見も見かける。しかし、今回紹介しているモゥブレイのステインリムーバーは弱い界面活性剤なので、革靴を傷める心配をする必要はない。むしろ、汚れをそのままにしておく方が早く革靴を傷めてしまうので、ステインリムーバーでしっかり汚れを落とそう。

ステインリムーバーの使い方

使い方は至ってシンプルだ。
まずはシューレースを外した後、布にステインリムーバーを数滴塗り、革靴の汚れを取るように拭いていく。これを繰り返して、革靴全体の汚れやクリームを丁寧に拭きとっていく。
布は、リムーバー専用クロスも販売されているが、Tシャツの切れ端等で十分だ。

[エム・モゥブレィ] 汚れ落とし専用クロス リムーバークロス 9941

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手順2:デリケートクリームで革を保湿し、栄養を与える

デリケートクリームとは

ステインリムーバーで汚れを落とした後は、デリケートクリームで革を保湿し、栄養を与える。
デリケートクリームによって革が柔らかくなるので、革靴に擦り傷がつきにくくなる。さらに、栄養をしっかり与えることによって革靴を長持ちさせることにも役立つ。

[エム・モゥブレィ] デリケートクリーム  2026 NT ニュートラル 60ml

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デリケートクリームの塗布で使うペネトレーションブラシ

デリケートクリームは、多少粘り気のあるクリームなのでブラシを使うことをお勧めする。僕が使っているのは、ペネトレーションブラシだ。
デリケートクリームは無色なので、他のクリームを塗布する時に使うブラシとは別の専用のブラシを用意して欲しい。

デリケートクリームの使い方

ペネトレーションブラシは、その名の通り「浸透させるブラシ」なので、デリケートクリームが革靴の奥に浸透するよう丁寧にブラッシングしながら塗布していく。
革靴全体にデリケートクリームが薄く行き渡る程度の量(ブラシの毛先に米粒一つ分を付けて塗布すると、全体の1/4~1/3程度塗ることができる。片足で3~4粒分程度が目安)で十分で、その後ブラッシングでクリームが完全に浸透するまでブラッシングを続ける。

手順3:乳化性クリームでさらに栄養を与え、補色する

乳化性クリームとは

デリケートクリームを十分浸透させたら、いよいよ乳化性クリームの登場だ。
革靴の手入れを言えば、この乳化性クリームを思い起こす人が多いだろう。そして多くの場合、乳化性クリームを塗り過ぎてしまっている。

乳化性クリームは、革靴に栄養を与え、補色し、ツヤを出す。
多くの場合、ろうそくの「蝋(ろう)」も成分に含まれており、この蝋がツヤを引き出す。

[エムモゥブレィ] M.MOWBRAY シュークリームジャー 20241 (ブラック)

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乳化性クリームの使い方

まず布(TシャツでOK)に、米粒2~3粒程度を付ける。
これを革靴全体に均等に伸ばしていく。薄く全体に行き渡れば十分だ。これで片足分となる。一つクリームを買うと何年も使える。(今まで塗りすぎていなかっただろうか)
僕は布を使って全体に伸ばしているが、プロの方は指で塗る人も多い。これは体温でクリームを温めることによって、革への浸透を促すという意味がある。抵抗が無ければ、指でのクリーム塗布にチャレンジしてみるのも良い。

乳化性クリームの色

乳化性クリームは色が付いているので、自分の革靴に合わせて色を選ぼう。
革靴の色よりも、若干濃い色が良いかと思う。自分で色を選びにくい場合は、店員さんに聞いてみると良い。

手順4:豚毛ブラッシングでクリームを均等に伸ばし、ツヤを出す。

最後の仕上げ「ブラッシング」

乳化性クリームを全体に塗布したら、最後の仕上げである「ブラッシング」工程に入る。
このブラッシングにより、乳化性クリームを革靴の奥へさらに浸透させ、ツヤを引き出していく。
ブラッシングの時間は、最低でも片足5分はしておきたい。

この工程で使うブラシについても、専用のブラシを用意する必要がある。また、複数の色で使うのであれば(例えば黒と茶等)、色別にブラシを用意しないと別のクリームの色が革靴に移ってしまう。
決して高いものではないので、色別に専用のブラシを用意しておこう。

革靴への愛着が沸いてくると毎日でも革靴にクリームを塗りたくなってくるかもしれないが、長い時間をかけてじっくりと大切に育てていくイメージを持って、適度なメンテナンスを心掛けて欲しい。

何度も繰り返すが、大切なのは革靴を履いた日に毎回行う「ブラッシング」なのだ。
(乳化性クリームのブラッシングで使用したブラシには、クリームの成分が移っていくので、クリームを使わない日常のブラッシングでツヤを引き出す効果も増してくる。これも醍醐味の一つだ)

手順5:乾拭きして、防水スプレーで防水と保護

乳化性クリームのブラッシング工程が終わったら、革靴全体を乾拭きする。
乾拭きは、目の細かい布の方がきれいに仕上がるので、Tシャツの切れ端を使うよりは専用のクロスを使うことをお勧めする。
(ない場合は、ストッキングも効果的のようだが、僕はストッキングを試したことは無いので強くお勧めすることができない)

乾拭きが終わったら、革靴全体に防水スプレーを拭きつけよう。
防水効果に加えて、汚れや傷からの保護効果が期待できる。

[コロンブス] columbus AMEDAS アメダス(2000) 防水スプレー 420ml

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ここまでで、フルメンテナンス完了だ。僕の場合、1足をフルメンテナンスするのに1時間程度かかる。
以下に参考動画を掲載しているので、一通り見てみるとよりイメージしやすい。

<参考動画>

【靴磨きの音堪能版】リーガルの革靴で鏡面磨き無しの簡単な靴磨き【Goodies shoe shine ASMR】