Overwrite Save

趣味も仕事も、本気で楽しむオトコのブログ

フィンテックや最新テクノロジー(人工知能等)を学ぶために必読の良書8冊【2017年版】

Fintech

テクノロジーによって金融の在り方を変えるフィンテックは、まだまだ進化の途上だ。

新聞やニュースで「フィンテック」という単語をよく見かけると思うが、実際にその定義は曖昧だ。
しかし足元では「金融」と「テクノロジー」の融合によって、実際にサービスそのものの在り方が変わっているし、もはや伝統的な「銀行」には、あまり意味がなくなるだろう。
実際に僕は、フィンテック関連の仕事にも関わっており、金融の在り方や変化を肌で実感している。

こういった流れの中で、働き方も大きく変わっていくのは間違いない。
ここで僕たちがすべきことは、変化への抵抗ではなく、変化をいかに早くキャッチアップして未来を切り開くかだ。そのためにすべき最低限のことは、基本的な知識を備え常にアップデートしていくことだろう。

今日は、フィンテックや、それを取り巻く人工知能、ブロックチェーン等の最新テクノロジーを学ぶために、僕が読んだ本の中からお勧めする書籍を紹介する。
(フィンテックはバズワードのため、有用でない書籍もたくさん販売されているので気をつけて欲しい)

1.フィンテックの総論を学ぶ

FinTech革命 増補改訂版(日経BPムック)

FinTech革命 増補改訂版(日経BPムック)

日経BP社から発刊されている特別編の雑誌。僕がフィンテックの仕事に関わる時に読んだ。(僕は「増補改訂版」の前バージョンを読んだ)
テクノロジーの内容を実例に基づいて紹介してくれているので、初心者にも分かりやすい。海外の事例も多く紹介されている。このまま日本に持ってきたら流行りそうだな、と思うサービスもたくさんある。サービスもそうだが、法律等のレギュレーション面でも日本の遅れを大きく実感した。
「フィンテックとは」を学ぶためには、この一冊があれば十分に感覚は掴めるくらい、よくまとめられた良い雑誌。

2.人工知能を学ぶ

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

人工知能の有識者である松尾氏の著書。人工知能の基本的な考え方がとても分かりやすく書かれている。
「仕事は無くなるのか」「自我は芽生えるのか」等、人工知能で盛り上がると必ず出てくる疑問にも丁寧に答えているので、初心者でも最後まで興味を持って読むことができる。全体を通しての内容は初心者だけでなく実務者向けにも十分通用する内容だ。
人工知能はとてもバズワードになっているので、色々なところで「人工知能」という言葉を耳にするが、実は人工知能ではないテクノロジーも多くある。さらに「人工知能」という単語を使った書籍でも、全く人工知能を理解できていない書籍もかなり散見されるのが事実だ。
一度この書籍を読んで「人工知能」の考え方を学ぶことを強くお勧めする。


WIRED VOL.20 (GQ JAPAN 2016年1月号増刊)/特集 A.I.(人工知能)

WIRED VOL.20 (GQ JAPAN 2016年1月号増刊)/特集 A.I.(人工知能)

WIREDは、いつもセンスが良くてとても大好きな雑誌なので、面白そうな特集があれば購入して読んでいる。知的好奇心をほどよくくすぐるのが上手な雑誌だ。
WIRED2016年の1月号として「人工知能」が特集された。通常のWIREDよりも1.5倍くらい分厚い構成になっていて、その力の入れようがすごい。海外の視点や実例も多く取り上げられており、今後の人工知能の可能性をひしひしと感じることができる一冊。
雑誌なので写真も多く、とても読みやすい。

3.ブロックチェーンを学ぶ

ブロックチェーンの衝撃

ブロックチェーンの衝撃

ブロックチェーンは、間違いなく今までの金融インフラを変える。送金は国内外問わずほとんど無料になるだろうし、現金を無くすことも容易だ。現金の基本的な性質である「価値の移動」を、とても安全に信頼性高く実現することができる技術である。
ブロックチェーンを技術的に解説した書籍になると小難しい内容が多く、なかなか理解が進まないが、この書籍はビットコインやブロックチェーンのスタートアップ、弁護士や経済学者等、ブロックチェーンをよく知る色々な専門家15人の意見を取りまとめたものになっているため、多面的にブロックチェーンに対する意見を観察することができる。
ブロックチェーンの概要を知るためには、まず最初に読んでおくと良い良書。


ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

この書籍は、ブロックチェーンの技術論というよりも、ブロックチェーンの適用の具体的な可能性を論じているところが興味深い。実際にブロックチェーンの技術を知っても「結局、何に使えるのか」というところでつまづいてしまう。
金融以外にも、選挙等の行政への適用等、その可能性を考えるヒントになる意見がいくつか見受けられる。そういった考え方から、ブロックチェーンの本質を知ることができるため、ぜひ一読頂きたい。

4.シェアリングエコノミーを学ぶ

シェアリングエコノミー

シェアリングエコノミー

海外では一般に普及しているシェアリングエコノミー。Uberやairbnbを使った移動や旅行は、外国人にとって普通の選択肢だ。日本ではまだまだ普及していないが、なぜここ最近になってシェアリングエコノミーが普及してきたのか、が丁寧に開設されている。
シェアリングエコノミー自体はフィンテックというと語弊があるが、最新テクノロジーによって実現したサービスであり、フィンテックとは近い考え方にあると思っている。
本書は、どちらかというと経済学や社会学等なマクロ的な側面による解説が多いため、シェアリングエコノミーを大局的に理解するのに役立つ。

5.ビッグデータを学ぶ

ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える

ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える

分析技術は人工知能の進化にとってコモディティ化(一般化、商品化)していくため、分析力や技術力そのものは差別化の理由ではなくなっていく。これからの時代は、いかにオリジナルでユニークなデータを持つかが優位性のカギとなる。
ビッグデータ分析とは、ただ単に今まで以上に多くのデータを取り扱うことではなく、「どのようなことが可能となるのか」「どのような結果が期待できるのか」という本質的な視点で書かれている。
グーグルが検索後を元にインフルエンザの流行を予測することができる理由など、具体的事例もあり興味深く読むことができる。
この本を読んで、データや分析に対する考え方が変わったと言っても過言ではない。とても面白い良書。

6.その他

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

本書の著者であるケビン・ケリーはビジネス詩WIREDの創刊者。最新テクノロジーを以下の12の観点から分析し、将来を予測している。
ここ数年のテクノロジーの進化は、かつてインターネットが普及した時以上の衝撃があると語っているが、僕も全く同感だ。この流れに乗ることは、とても大きな意味を持つだろう。それを実感することができる一冊。
 1.BECOMING(なっていく)
 2.COGNIFYING(認知化する)
 3.fLOWING(流れていく)
 4.SCREENING(画面で見ていく)
 5.ACCESSING(接続していく)
 6.SHARING(共有していく)
 7.FILTERING(選別していく)
 8. REMIXING(リミックスしていく)
 9.INTERACTING(相互作用していく)
 10.TRACKING(追跡していく)
 11.QUESTIONING(質問していく)
 12.BEGINNING(始まっていく)