【一眼レフ】写真がグッと上達する第一歩、まずは「F値」をきちんと理解しよう。
一眼レフを使い始めると、「F値」という言葉に出会う。
この「F値」は、コンパクトデジタルカメラやスマホのカメラと一眼レフの違いであると言えるほど、写真の表現に影響を及ぼす。
具体的にはっきりと分かる違いを言えば、F値が低いほどボケの利いた写真となり、F値が高いほど遠くまでピントの合った写真となる。
F値は、一眼レフの色々な設定の中でも一番違いが大きく出る設定でもあるので、F値の基本を理解することで写真が一気に上手に撮れるようになる。
また、写真雑誌を見ていても必ずと言っていいほど、掲載写真はどの「F値」で撮られたのか記載されている。F値を理解すると、写真雑誌の見方もガラッと変わり、今まで以上に参考になるはずだ。
今日は一眼レフで写真を撮るための大前提となる「F値」について、基本事項をしっかりと紹介していきたい。
F値とは
F値とは、レンズの「絞り」と言われる部分をどのくらい開けるのか、または絞るのかを数値化したもの。
F値が低いほど「絞り」を開けることを意味し、F値が高いほど「絞り」を絞ることを意味する。
つまり、F値が低いと多くの光を取り込むことができ、F値が高いと光を取り込む量が少なくなる。
絞りとは
レンズからカメラに入る光の量を調整するための部分を指す。
F値を小さくすることを「絞りを開ける」といい、F値を大きくすることを「絞りを絞る」という。また、装着しているレンズの一番小さいF値のことを「開放F値」といい、雑誌やカメラマンの間では「開放で撮る」といった使われ方をする。
なぜF値を変更するのか
F値を変更する目的は、以下の2つに大別される。
①被写界深度のコントロール
②シャッタースピードのコントロール
F値と被写界深度
被写界深度とは、ピントが合う前後の範囲のことを指す。被写界深度が浅ければ、ピントの合う範囲が狭くなるため、ピントを合わせたターゲットの「前後」がボケる。一方で、被写界深度が深ければ、前後でピントが合うため遠くまでクリアにピントが合ってくる。
F値を小さくすればするほど、被写界深度が浅くなる。これが、F値の低いレンズはボケのある写真が撮れる、と言われる理由だ。
F値とシャッタースピード
F値を一段絞ると、カメラに入ってくる光の量が減るため、シャッタースピード(光をカメラに入れている時間)も遅くしなければならない。
F値が低い場合は、絞りが開いているため、カメラにたくさん光が入ってくることから、シャッタースピードは早くてくれも良い。
シャッタースピードが早いということは、手ブレを起こしにくくなる。このことも、背景ボケに加えてF値が低いレンズが人気のある理由の一つだ。
F値と被写界深度、シャッタースピードの関係を示すと次のようになる。
【F値と被写界深度、シャッタースピードとの関係】
F値は低ければ低いほど良いのか
F値が低くなるほどレンズも高くなる傾向があるが、F値が低いほど画質が良いという訳ではない。
実はレンズは中心になればなるほど性能が高くなり、むしろF値が高い方が細かい部分までしっかりと写すことが出来るため画質が良いとされる。
よく、視力の低い人が遠くを見る際に目を細めていると思うが、ピントを合わせてしっかり見るといったレンズと同じ理屈だ。
かといって、F値を上げれば上げるほど画質が上がるかというと、そういう訳ではない。
F値を上げすぎると、絞りの部品(いわゆる羽)の裏側に光が回ってしまい、カメラのセンサーまできちんと光が届きにくくなるという現象が起こってしまう。これによって、すこしモヤがかかった画質になってしまう。
自分の思った通りにフォーカスが合っているのであれば、必要以上にF値を上げないようにしよう。
最後に
F値は、写真の表現にとても大きな影響がある。
冒頭でも述べたが、F値の知識を知っているだけで写真のスキルが上達していくことは間違いない。
F値を意識するだけで、目的を持ってF値を選択することになる。思い通りに撮れたり、思ったように撮れなかったりを繰り返していくことで、写真は上達していくだろう。
ちなみに僕は、先日購入したばかりのF1.8の単焦点レンズ(35mm)を好んで使っている。レンズとしてはエントリー向けのレンズだが、このレンズを買ったおかげでF値を意識するようになったし、写真が一段と好きになった。このレンズを思いっきり使い倒したいと思っている。
僕も一眼レフの初心者だ。
これからもF値をしっかり意識して、一眼レフのあるカメラライフを送っていきたい。